宮崎 真至 先生
HEINEルーペ  日本大学歯学部 保存学教室修復学講座 教授

【略歴】
1987年 日本大学歯学部卒業
1991年 日本大学大学院歯学研究科修了
1994~1996年 米国インディアナ州立大学歯学部留学
2005年 日本大学教授(歯学部歯科保存学I)

双眼ルーペシリーズ ユーザーインタビュー

双眼ルーペを使用することで臨床において、変化はありましたか?

コンポジットレジン充填において、解剖学的な形態をより正確に再現ができます。
また、支台歯形成のマージンを確認することにより、自身の治療の結果をフィードバックし、自己の診療の上達や精度の向上につながります。

双眼ルーペに慣れていくと、しっかりと視認することが癖になり、もう双眼ルーペなしでは治療ができなくなるほどになりました。

双眼ルーペの種類や特徴について教えてください。

双眼ルーペは、レンズタイプや装着方式にいくつか種類があります。

まず、レンズタイプには3種類あり、ダイオクトルタイプ、ガレリアンタイプ、ケプラリアンタイプがあります。

ダイオクトルタイプは、虫眼鏡タイプであり、価格は安価ですが焦点深度が浅くなります。これを改善できるのがガレリアンタイプで、接眼レンズと対物レンズが大きく分かれています。ただし、レンズが2枚だけだと光の屈折により色の滲みが出てしまうため、対物レンズの裏側にもう一枚レンズを付けることで、色の滲みを無くすことができます。

ケプラリアンタイプは、レンズとともにプリズムを中に入れることで、4倍や5倍といった高倍率でも拡大視野を得ることができるレンズです。

装着方式としては、眼鏡タイプでレンズを跳ね上げることができるフリップアップタイプとメガネのレンズ部分をくり抜き、双眼ルーペをはめ込むスルーザレンズタイプ(TTLタイプ)、その他に額から吊り下げるヘッドギアタイプがあります。

初めて双眼ルーペを購入する際のアドバイスをいただけますか?

初めて双眼ルーペを購入する際は、安価なものに惑わされず定評のあるメーカーの製品を選ぶことをお勧めします。

ただし「倍率の捉え方」には注意が必要です。メーカーによって倍率が異なることがあり、あるメーカーの8倍の製品が他のメーカーからすると拡大率が5倍4倍にとどまる場合もあります。まずは、メーカーの説明をしっかりと聞き、可能であればデンタルショーやショールームなどで製品を比較してみることをお勧めします。

また、ルーペを装着した時に、ノーズパッドが微調整できるものが良いでしょう。もし装着感が合わなければ、眼鏡タイプではなくヘッドギアタイプを選択肢に加えるといいと思います。特に根管治療でLEDライトを併用する場合には、重量が問題となります。装着時の安定感を確認し、自身の診療用途に合った選択が大切です。

また、レンズはガラス製でコーティングされていると、傷が付きにくいだけでなく、光の反射を抑えられるため、明るく見やすくなります。

さらに、フリップアップタイプの中心をネジで調整するタイプは、2.5倍までなら対応できますが、3倍以上となると瞳孔間距離を左右それぞれ調整できるタイプがお薦めです。人間は左右対称のようで微妙なずれがあるため、位置付けが悪いと寄り目や疲労感が増すこともあります。瞳孔間距離を左右で調整できる機能は、特に高倍率のルーペの場合には非常に大切になります。

双眼ルーペを初めて使用する際に気をつけることはありますか?

視野を合わせる際、正円より楕円形に合わせることで寄り目を防ぎ、長時間の使用を可能にします。また、拡大視野では周りをチラチラ見ないようにし、焦点深度が自分の作業距離に合っているかを確認しましょう。

診療によって違いはありますが、作業距離は約350㎜~450㎜と言われています。ただし、Dr.ビーチの診療姿勢を採用しているユニットでは約300㎜、教習方法によりますが保存学系だと約400~450㎜とユニットの種類や診療に対する考え方、自身の治療のしやすさにより変わってくるため、作業距離には十分注意しましょう。

そして、明るさや視野の広さも確認し、自分に合った製品を探していくのがいいでしょう。

HEINEをお使いいただいている理由を教えていただけますか?

私は、HEINEのフレームの美しさとスポーツタイプのガラスを採用している点が気に入っています。ライトとレンズが一体化しても軽量であり、フレームのカーブはアジア人の額にフィットしやすい設計になっています。

また、瞳孔間距離の調整ができ、ノーズパッドの調整のしやすさ、負担のかかりにくさ、視野の明るさや広さは他社の製品と比較しても引けを取らない性能を持っていると感じています。

双眼ルーペを使用することは、正しい診断と診療を目指す歯科医師にとっては必要なものだと私は考えています。ぜひ、双眼ルーペの真の価値を実感していただきたいと思います。

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